デジタル音源にはない魅力で今なお人気を集めているレコードですが、頭を悩ませるのが保管の難しさです。
保管の仕方はもちろんのこと、保管前の手入れや保管場所にも気を遣う必要があります。
そこで本記事では、レコードを安全に保存する方法や、保管する上でのポイントについて詳しく解説します。
昔のレコードを所有している人や、これからレコードを聞いてみたいと考えている人はぜひ参考にしてください。
レコードの保管が難しいのはなぜ?
レコードの保管を難しくしている大きな要因は、アナログ音源ならではの配慮が必要になることです。
まずは、レコードの保管が難しい理由を3つご紹介します。
やわらかい樹脂でできておりデリケート
レコードはディスクに刻まれた溝に音を記録しており、この溝が壊れると音飛びが発生します。
しかし、レコードの素材は塩化ビニール、つまりやわらかい樹脂素材でできており、固いものにぶつけたり落としたりすると簡単に壊れてしまいます。
また、レコードの厚みは2mm程度ととても薄く、圧力や熱が加わることで変形したり歪む恐れがあります。
紙のジャケットは汚れやすく傷つきやすい
レコードのジャケットは、そのほとんどが紙でできています。そのため、ジャケットは汚れや傷がつきやすく、破れやすいという弱点があります。
紙に一度ついてしまった汚れや傷を取り除くことは、容易ではありません。また、破れてしまったジャケットを修復することも困難です。
ジャケットについた水汚れや油汚れがレコードの盤面まで及ぶと、ノイズが入ったり音質が悪くなったり等、レコード本体の品質を損なう恐れもあります。
高温多湿な日本はレコードに優しくない
日本の気候は高温多湿で、とくに梅雨から夏にかけて、気温・湿度が高くなります。この日本ならではの気候は、レコードには優しくありません。
レコードは熱に弱いため、保管場所や保管の仕方によっては盤面が歪んでしまう可能性があります。変形がひどくなると、音飛びしたり回転しなくなったりと、再生に支障をきたす恐れもあります。
また、湿気はレコード本体やジャケットのカビ汚れの原因にもなります。レコード本体の中心部、レーベル部分にも紙が使用されていることにも注意が必要です。
レコードを安全に保存する方法
ここからは、レコードを安全に保管・保存する方法を解説します。
保管の前にクリーニングする
レコードを保管するときは、まず丁寧にクリーニングを行いましょう。クリーニングによって、ホコリと静電気を取り除きます。
樹脂製のレコードは静電気でホコリが付着しやすいため、まずは静電気除去スプレーをふんわりと吹き付けます。続いて、レコードクリーナーを使って円周状に拭き取りましょう。
この際、盤面に指紋が付かないように注意してください。静電気を除去できるクリーニング用の手袋を着用しておくと、安心して作業できます。
ビニールカバーに入れる
レコードのクリーニングが完了したら、レコードをビニールカバーに入れます。続いて、ビニールカバーに入れたレコードを、カバーの開口部を上にした状態でジャケットに入れます。
カバーの開口部を上にしてジャケットに入れることで、レコードを取り出す際にレコードだけが落下するのを防ぐことができます。
ビニールカバーの汚れやホコリがひどい場合は、新しいカバーを購入すると良いでしょう。静電気を抑制するタイプのビニールカバーも市販されています。
なお、ジャケットをビニールカバーに入れて保存する時は、ジャケットの開口部からカバーに入れることで、内側にホコリが入るのを防ぐことができます。
立てて保管する
ジャケットに入れたレコードは、必ず立てて保管しましょう。
レコードを横に寝かせて重ねたり、大きく傾けた状態で保管すると、レコードが変形・破損する恐れがあります。また、長期間重ねたままにすると、湿気も溜まりやすくなります。
レコードを長期間安全に保管するためには、必ずレコードを垂直に立てて保管しましょう。保管中に倒れないよう工夫しておくと、より安全です。
直射日光と結露に注意する
レコードを保管する際は、レコードに直射日光が当たったり、結露が発生しないような配慮が必要です。
直射日光はジャケットの劣化を早めてしまう他、熱によりレコード本体の変形や歪みの原因になります。必ず直射日光の当たらない場所に、保管するようにしましょう。
また、同様に注意したいのが結露です。結露は温度の差が激しい場所で起こりやすいため、窓の近くや押し入れの奥の壁際は避けて保管しましょう。
紫外線や蛍光灯の光もジャケットの色あせの原因になるため、カーテン等でカバーするといいでしょう。
レコードを安全に保管できる場所
最後は、レコードを安全に保管できるおすすめの場所を紹介します。
レコードの安全な保管場所のポイントは、湿気やホコリの心配がない場所です。
空調の効いた室内
カビや結露の発生を防ぐためには、大きな気温の変化が起こらない環境が適しています。そのため、レコードを保管する場所は「空調が効いた室内」を選びましょう。
人の出入りがある部屋、自宅であればリビングや寝室が、湿気もこもりにくくおすすめです。
ただし、人が生活する部屋はホコリが舞いやすいため、ビニールカバーをしっかりとかけて、レコードケースやレコードラックなどに入れて保管すると安心です。
トランクルーム
自宅内にちょうどいい保管場所がないという場合は、トランクルームの利用がおすすめです。有料にはなってしまいますが、安全にレコードを保管することができます。
トランクルームを選ぶ際は、屋内型を中心に探しましょう。屋外のコンテナを利用したトランクルームは基本的に空調設備がないため、結露やカビ、熱による歪みのリスクがあり、レコードの保管には適していません。
屋内型のトランクルームであれば、空調が完備されているものも多く、安心してレコードを保管できます。とはいえ、定期的な換気やクリーニングは行うようにしましょう。
また、水漏れや停電等によるトラブルがないとも言い切れないので、万が一に備えて、レコードはしっかりと手入れをした上で、ケースに入れて保管しておくと安心です。
レコードの保存方法まとめ
レコードは薄い樹脂でできているため大変デリケートです。熱や汚れによって音飛びやノイズが発生し、再生できなくなってしまうこともあります。
そのため、大切なレコードを長く保管したい場合は、直射日光の当たらない換気ができる部屋を保管場所に選び、定期的に手入れを行うことが大切です。
自宅内にちょうどいい保管場所が見つからない場合は、屋内型のトランクルームの利用もおすすめです。
レコードは本体もジャケットも繊細ですが、丁寧に保管すれば品質を落とすことなく長期保存が可能です。古き良きアナログ音源を長く残すためにも、ぜひ正しい方法で大切に保管してください。
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