今ではほとんど見かけなくなった、大きなリールが2つ付いたオーディオ機器の1種、オープンリール。
昔使っていて今も家にあるけれど、今となっては価値があるのかどうかすら分からないという方も多いことでしょう。
しかし実は、オープンリールデッキやテープは、今でも売れる可能性があるんです。
そこで本記事では、オープンリールの特徴や今でも買い取ってもらえる理由、買取に出す際のポイント等を解説します。
オープンリールって何?詳しく解説
まずは、オープンリールがどのようなオーディオ機器なのか、何が優れているのかについて、詳しく解説します。
オープンリールとは
オープンリールとは、音楽や映像を収録・再生できる磁気テープメディアおよびオーディオ機器の呼称で、カセットテープの大型版のようなイメージです。
オープンリールテープはカセットテープのようなカートリッジ式ではなく、磁気テープがむき出しのままリールに巻かれています。再生する際は、テープをリールから直接引き出して、デッキにセットします。
カセットテープと異なり磁気テープが保護されていないため、慎重に取り扱う必要があります。その一方で、頭出しがしやすい、テープを直接切って編集することが容易といった、オープンリールならではの特徴もあります。
オーディオ用オープンリールの歴史
オープンリールは1930年代に開発され、国産では1950年にSONYが初めてオープンリールデッキとテープを発売しました。
高価であることから一般家庭ではあまり普及せず、放送局やレコーディングスタジオ、教育現場などで主に使用されます。
1970年代以降、小型で取り扱いが簡単なカセットテープが主流となってからも、プロフェッショナルオーディオとして1990年頃まで利用されていました。
しかし、2000年代に入るとディスクタイプのメディアに押されて、消えていくことになります。
オープンリールは何が優れている?
オープンリールがプロの間で長く使い続けられた理由の1つに、レコードよりも音質が優れている点が挙げられます。
レコードはダイナミックレンジが狭く、高音・低音の一部をカットする必要がありました。一方、オープンリールのテープは、元の音を大きく変えずに残すことができます。
また、レコードはその特性上、再生時にノイズや針飛びといった音質に悪影響を与える障害が起こります。しかし、オープンリールであればそのような障害が発生することはなく、安定した音質での再生が可能です。
オープンリールが今でも売れる理由
オープンリールはカセットテープに取って代わられ、ディスク装置の発達により使われなくなりました。
なぜ使われなくなったはずのオープンリールが、今でも売れているのでしょうか。
コアな音楽ファンの人気が高い
消えてしまったと思われていたオープンリールですが、実はオープンリールはその音質の高さから、コアなファンの間ではいまだ根強い人気があります。
また、近年その音質が再評価され、昨今のアナログブームの影響もあり、新たにオープンリールに興味を持つ人が音楽ファンを中心に増えてきている実態もあります。
海外での需要が高まっている
アナログブームやレトロブームは海外でも盛り上がっており、その過熱ぶりは日本以上とも言われます。
オープンリールも同様で、とくに日本製のオープンリールは国外からの需要が大きく高まっています。
アナログメディアでありながら高音質なオープンリールは、国内外問わず音楽ファンから支持されているのです。
テープの入手方法が限られる
オープンリールの難点は、テープの入手手段が極めて限られる点です。
日本国内にはオープンリールテープを生産しているメーカーはすでになく、海外でもフランスのRTM IndustriesとアメリカのATR Magneticsの2社しかありません。
過去には、SONYやmaxell、TDKといった日本のメーカーがオープンリールテープを販売していましたが、2000年代までに全て撤退してしまいました。
日本製のテープは中古でしか手に入らないため、未開封品はもちろん、使用済みのテープであっても高い需要があります。
オープンリールデッキの有名メーカー3選
オープンリール全盛期には、日本のメーカーもこぞってオープンリールデッキを発売しました。
ここからは、オープンリールデッキの有名日本メーカー3選を紹介します。
AKAI
AKAI(アカイ)は、日本で初めてテープレコーダーの開発に成功した高級音響機器メーカー「赤井電機株式会社」のブランドです。
海外でも高級オーディオとして名を知られており、アメリカでは「Roberts」、西欧では「Tensai」のブランド名でも販売されていました。
残念ながら赤井電機は1992年にオーディオから撤退してしまい、2000年に経営破綻してしまいました。
しかし、「GX-635D」や「GX-747」に代表されるAKAIのオープンリールデッキGXシリーズは、オープンリールの名機として今も高い人気を誇っています。
TEAC
TEAC(ティアック)は、日本の音響機器メーカー「ティアック株式会社」のブランドです。
TEACのオープンリールデッキにはAシリーズとXシリーズがあり、どちらも高い人気を誇りました。とくに1960年代に発売されたオープンリールテープデッキ「A-4010」は、20万台超の大ヒット商品でした。
また、TEAC製品は海外でも知名度があり、世界的な映画やアーティストの音声収録にも使用されました。
なお、ティアック株式会社はイギリスの大手音響機器メーカー「TANNOY(タンノイ)」の代理店でもあります。
Technics
Technics(テクニクス)は、パナソニック株式会社のオーディオ機器ブランドです。
Technicsは「アイソレートループ方式」と呼ばれる独自の方式のオープンリールデッキを開発・販売したことで有名です。
1976年に発売された「RS-1500U」に代表される、RSシリーズが名機として知られています。
なお、Technicsは2010年にブランドとしては一旦終了しましたが、2014年に再展開が発表され、日本でも2015年にスピーカーやネットワークプレーヤーの新製品が発売されています。
オープンリールデッキ・テープは買取に出せる?
家の倉庫の片付けや遺品整理・生前整理を行うと、オープンリールデッキやテープが見つかった、という事例は少なくありません。
今や一般にはほとんど使われないものなだけに、売れるかどうか判断がつかない場合もあることでしょう。
しかし、オープンリールデッキやテープは、今でも買取に出すことができるんです。
デッキ・テープともに古いものでも売れる
ここまで紹介した通り、近年オープンリールの需要は高まっており、中古市場も活況です。
そのため、オーディオ専門店を中心に、デッキ・テープともに買い取ってもらうことができます。
オープンリールのデッキとテープは、現在ほとんど生産されておらず、入手方法も限られます。多少状態の悪いデッキや使用済みのテープでも、買い取ってもらえる可能性は高いでしょう。
有名メーカーの名機なら壊れていても値がつくものも
オープンリールデッキの中でも有名メーカーの名機なら、故障していても売却できる可能性があります。
名機と呼ばれるオープンリールデッキは、そのほとんどが生産終了しており、買い替えどころか修理のための部品の入手すら困難です。
ですから、たとえ壊れて動かなくなってしまったオープンリールデッキであっても、部品目的で売れる可能性があるのです。
テープも状態問わず売れる可能性がある
オープンリールのテープも売却が可能です。消耗品ということもあり、テープの種類やメーカーによっては、デッキ以上に高い希少価値があります。
テープの場合、未開封はもちろん、使用済みのテープでも買い取ってもらえます。また、カビが生えてしまったテープや、テープがない空リールでも、条件次第で買取価格がつく場合があります。
ちなみに、オープンリールテープのサイズはリールの外径を元に3号・5号・7号・10号の4種類があり、サイズが大きいものほど高値が付きやすい傾向にあります。
オープンリールを買取に出す際のコツ
最後は、オープンリールを買取に出す際のコツを3つ紹介します。
少しでもオープンリールデッキやテープを高く売るためにも、ぜひ押さえておきましょう。
汚れやほこりを綺麗に落としておく
どのようなオーディオ機器であっても、きれいな状態のほうが売れやすく、高値がつきやすくなります。
家の倉庫に眠っていたオープンリールデッキやテープは、ほこりや汚れが蓄積されてしまっています。査定に出す前に、しっかりと汚れやほこりを落としておきましょう。
ただし、オープンリールは温度と湿度に弱く、テープは折れやすいため、丁寧かつ慎重に扱う必要があります。傷つけたり壊してしまう不安がある場合は、軽くほこりを払う程度でも十分です。
オーディオの専門店に査定を依頼する
オープンリールの多くは、製造から40年前後経過しています。一般的なリサイクルショップでは、査定士がオープンリールの存在すら知らない可能性もあります。
オープンリールのデッキやテープを売却するなら、オープンリールの買取を謳うオーディオ専門店を選びましょう。オーディオに詳しい査定士であれば、オープンリールの適正な査定を期待できます。
とくに壊れたオープンリールデッキや使用済みのオープンリールテープは、オーディオ専門店の査定でなければ値段がつかない可能性があります。
テープはまとめて出すと値がつきやすい
オープンリールのテープは、状態が悪く1つ2つでは値がつかないものでも、まとめて売れば値がつく可能性があります。
前述の通り、現在オープンリールテープは海外の2社でしか生産されておらず、国産のテープとなれば状態の良いものを入手することは極めて困難です。
そういった事情があるため、古くて状態の悪いテープであっても、ある程度数がまとまっていれば買取業者側も値段をつけやすくなるのです。
まとめ
オープンリールはオーディオマニアの間ではよく知られたメディアでしたが、アナログ回帰のブームと相まってじわじわと認知と人気が広がっており、海外でも高い需要が見られます。
オープンリールのデッキもテープも、今では貴重なものなので、状態がいいものはもちろんのこと、壊れていたり状態が悪いものでも買い取ってもらえる可能性があります。
使わなくなったオープンリールデッキやテープがあれば、捨てる前に一度オーディオの専門店の査定に出してみることをおすすめします。
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