レコードは古いもので100年以上の歴史があり、今なお音楽を楽しませてくれています。
そんな寿命の長いレコードも扱い方や保管方法次第で寿命が短くなってしまうため、普段のお手入れがとても大切です。
この記事では、レコードの寿命を縮めてしまう要因やレコードが劣化した際の症状、レコードのお手入れと保管のコツを紹介します。
レコードの寿命を縮めてしまう要因
まずは、レコードの寿命を縮めてしまう代表的な要因を紹介します。
レコード盤面の傷
レコードの寿命を縮める要因の1つが、レコード盤面についた傷です。
レコードは、溝に音源情報が記録されているため、溝に傷がつくと「針飛び」などが発生する原因になります。
針飛びが起きると音が飛んでしまい、正常に再生できなくなる恐れがあるので注意が必要です。
ちなみに、針飛びが起きる原因には盤面の傷のほかに、針先がレコードを押す力が弱まる「針圧の軽さ」も挙げられます。
ほこりや手垢
レコード盤面に付着したほこりや手垢などの汚れも、レコードの寿命を縮める原因になることがあります。
レコードは主に樹脂や塩化ビニールで作られており、静電気が発生しやすいためほこりがつきやすいのです。
また、盤面に直接手で触れてしまうと手垢や皮脂汚れが付着します。付着した手垢や皮脂汚れは、レコード再生時にノイズが発生する原因です。
手垢や皮脂汚れはカビに変化する恐れもあり、正常な音源が再生できなくなるなどの影響が出る可能性があります。
湿気
レコードは、湿気による劣化が発生しやすいのも特徴です。湿気にさらされたままにしていると、レコードに歪みやカビが発生する原因になります。
盤面に発生したカビやレコード盤の歪みは、正常な音源再生を妨げるため、保管には十分注意しなければなりません。
高温多湿な日本の気候そのものがレコードの劣化を招きやすいことを念頭に、保管場所の温度や湿度の管理をおこないましょう。
直射日光
温度や湿度と同様に、レコード盤は直射日光にも影響を受けやすい傾向にあります。レコード盤に使用されている塩化ビニールなどの素材が熱に弱いためです。
塩化ビニールは、温度だけでなく紫外線による劣化も発生しやすいので注意しましょう。
また、直射日光の当たる場所でレコードを保管していると、レコード盤の変形や溝の歪みが発生します。熱により溝が溶けて音源が再生できなくなる可能性もあるため、保管時には直射日光にも十分配慮しましょう。
レコード針の寿命にも要注意
レコードを再生する際には、レコードプレーヤーにレコードを設置し、レコードの溝にレコード針を置いて再生します。
この「レコード針」は消耗品で、一般的な寿命は150~500時間と製品によって差があるのも特徴です。
レコード針が劣化すると音質が悪くなったり、音飛びが発生したりする原因になります。劣化したレコード針をそのまま使用し続けていると、レコード溝を傷つけてしまう恐れもあるため、レコード針の寿命にも注意が必要です。
レコード盤に汚れや歪みがないにもかかわらず音質の悪化や音飛びが発生したら、レコード針の寿命を疑ってみましょう。
また、使用時間が長くない場合でも、レコード針にサビやカビが発生していたら交換する必要があります。
レコードの価値を落とす劣化の症状
レコードは売買もさかんに行われており、劣化状態によってはレコードそのものの価値が低下しかねません。
では、具体的にどのような症状が、レコードの価値を下げてしまうのでしょうか。
ここからは、レコードの価値を左右する代表的な劣化の症状を紹介します。
レコード盤面の反り・歪み
レコードの盤面に反りや歪みがあると、レコードの価値が低下します。
前述の通り、レコード盤は保管状態によって盤面に反りや歪みが発生しやすい素材のため、保管には十分注意しましょう。
反りや歪みの程度によっては音源を再生できなくなる場合もあり、レコードで音楽を聞くことができなくなる原因になりかねません。
レコードを長く楽しむためにも、後述のお手入れや保管方法を取り入れて劣化を予防しましょう。
ジャケットの汚れや破損
レコードを封入している外装にあたる「ジャケット」は、紙製のものが主流です。このジャケットに汚れや破れなどの破損がある場合も、レコード価値が低下する原因になります。
紙製のジャケットは汚れやすく破れやすい特徴があり、レコード盤同様に取り扱いや保管には十分注意しなければなりません。
レコードジャケットは、湿気によってカビが生える恐れや、紫外線による色褪せなども発生します。そのため、レコード盤だけでなくレコードジャケットも丁寧に扱うことが大切です。
帯・特典等の付属品の紛失
レコードは、ジャケットに帯がついているものや購入特典などの付属品がついているものもあります。
帯や特典はレコード本体よりも紛失しやすい傾向にあり、保管には注意しなければなりません。なぜなら、帯や特典の有無でレコードの価値が何倍も変わる場合があるためです。
購入時に付属していた帯や特典などは邪魔だからと捨ててしまわず、レコード本体と同様、丁寧に保管しておきましょう。
レコードを長持ちさせるお手入れ・保管のコツ
レコードを長持ちさせるには、お手入れや保管時のコツを知っておくことが大切です。
ここからは、レコード盤の劣化を防ぎ、長持ちさせるためのお手入れ方法や保管時のコツを紹介します。
聴いた後はほこりや手垢を取り除く
レコードを聴いた後は、レコード盤に付着したほこりや手垢などの汚れを取り除いてから片付ける習慣をつけることが大切です。
汚れが付着したままになっていると、傷やカビなどの深刻な劣化につながる恐れがあるためです。
汚れの除去は、ほこりを吹き飛ばすブロワーや専用のレコードクリーナー、清潔なクロス(メガネ拭き等)を使用すると良いでしょう。
拭くときは溝に沿って丸く撫でるように
レコード盤のお手入れで汚れの拭き取りを行う際には、レコード盤の溝に沿って丸く円を描くように優しく拭くことがポイントです。
溝に沿わず縦に拭くと、溝を傷つけてしまう恐れがあります。お手入れで傷を付けることがないように注意しましょう。
また、レコード盤の盤面には直接触れず、レコード中央部のラベル部分や縁をもつようにすれば、汚れの付着を予防することができます。
レコードは内袋に入れて保管する
レコード盤を保管する際には、ジャケットに直接封入するのではなく、内袋に入れてからジャケットに入れましょう。
付属していた内袋を使用するのではなく、保管用にビニール製のものを用意するのがおすすめです。内袋も綺麗に残しておけば、レコードの価値が上がる可能性があります。
保管用のビニール製内袋は、静電気を帯びてきたりカビやほこりが付着したりするようになったら、新しいものに交換するタイミングです。
ジャケットを外袋に入れて保管する
レコードの紙製ジャケットは、前述の通り劣化しやすい特徴があります。そのため、そのまま保管しておくのではなく、ジャケットごと封入できるビニール製の外袋に入れて保存すると良いでしょう。
外袋の開き口が下側になるように被せておけば、ほこりの侵入予防にもつながります。きちんと封入して保管しておきたい場合には、シール付きの外袋を活用するのもおすすめです。
また、ジャケットを封入する外袋は、紫外線によるジャケットへのダメージを防いでくれるUVカット機能付きの製品を選ぶと良いでしょう。
立てた状態で直射日光・湿気を避けて保管する
レコードは、必ず立てた状態で保管しましょう。横にして重ねたり、斜めに立てかけたりして保管すると、レコードが変形する原因になるためです。
また、直射日光を避け、湿度が高くない保管場所を選ぶことも大切です。レコードの保管に最適な温度は10~30℃、湿度は40~60%が理想とされています。
保管場所の温度や湿度にも配慮して、レコードの劣化を防ぎましょう。
大切に保管したレコードはいつまでも価値がある
レコードは、レコードに傷やほこり、手垢などが付着すると寿命が短くなる原因になります。また、高温多湿や直射日光にも弱いため、保管場所には注意しましょう。
さらに、レコード盤に傷をつけてレコード盤が劣化する原因につながるため、レコード針の寿命にも注意してください。
レコード盤面の反りや歪み、傷のほか、ジャケットの破損や帯・付属品の紛失は、レコードの価値を下げる要因になります。そのため、付属品は内袋にいたるまで丁寧に保管しておきましょう。
レコードの劣化を防ぐには、レコードを片付ける際にほこりや汚れを拭き取ることが大切です。また、保管する際にはレコード盤、ジャケットともに袋に入れて劣化から守り、立てて保管するように意識しましょう。
レコードの高価買取ならCloverMusicにご相談ください
聴かなくなったレコードや実家に眠っているレコードの売却をお考えなら、ぜひクローバーミュージックにお売りください。ジャンルや時代を問わず、どんな種類のレコードも査定・買取いたします。
レコードに深い愛と専門知識を持つ査定士が、あなたやご家族が愛したレコードを1点ずつ丁寧に査定いたします。オーディオ機器や楽器の査定・買取も可能です。査定はもちろん完全無料、宅配キットや出張買取も無料で承ります。